【犬山市】ランチ文化・徹底深掘りコラム
国宝犬山城と木曽川の清流。城下町の食べ歩きから伝統のアユ・うなぎ料理、古民家ランチの粋
愛知県の最北端に位置し、木曽川を挟んで岐阜県各務原市・可児市・坂祝町と向かい合う犬山市。現存十二天守のひとつ「国宝犬山城」を擁するこの街は、城下町の風情を色濃く残す本町通り周辺の食べ歩きや古民家カフェ、木曽川の恵みである鮎(アユ)や伝統のうなぎ料理、さらには街道沿いの隠れた名店まで、歴史と自然が織り成す上質なランチ文化が息づいています。
1. 犬山城下町「本町通り」の華やぎ:串グルメと古民家リノベーションランチ
五平餅や田楽から本格ビストロまで。歩いて巡るランチタイムの贅沢
犬山のランチを体験する上で、まず訪れたいのが犬山城の南側にまっすぐ伸びる「本町通り(城下町エリア)」です。江戸時代から続く町家や登録有形文化財が立ち並ぶ通りには、観光客だけでなく地元の人々も足を運ぶ魅力的な飲食店が密集しています。
犬山の名物として全国的に有名なのが「串グルメ」です。名物の香ばしい胡桃・胡麻ダレがたまらない「五平餅」をはじめ、創業百余年の老舗が焼き上げる「豆腐田楽」、飛騨牛の炙り寿司や肉巻きおにぎり串など、片手に持ってサッと楽しめるメニューが豊富に揃っています。
しかし、犬山城下町の魅力は食べ歩きだけにとどまりません。築100年を超える古民家を改装したイタリアンやフレンチ、町家カフェでは、中庭の緑を眺めながら地元野菜をふんだんに使ったパスタやハンバーグ、季節の和御膳を落ち着いていただくことができます。歴史の重みを感じる梁や格子戸に囲まれた空間で過ごす昼のひとときは、日常を忘れさせてくれる贅沢な体験です。
2. 木曽川の清流がもたらす川魚文化:伝統の「アユ料理」と「うなぎ」の滋味
木曽川う飼の歴史とともに受け継がれてきた、職人技が光る川魚割烹
木曽川のほとりに位置する犬山は、古くから川魚料理の名所として知られてきました。特に夏から秋にかけて旬を迎える「鮎(アユ)」は、木曽川う飼の伝統とともに犬山を象徴する味覚です。
市内の川魚料理店や割烹では、塩焼きにしてパリッと焼き上げた香ばしい鮎をはじめ、甘辛く煮付けた甘露煮、鮎の出汁が染み渡る「鮎飯(あゆめし)」などをランチコースや定食で堪能できます。清流の苔を食べて育った鮎特有の爽やかな香りと繊細な身の甘みは、一度食べたら忘れられない味わいです。
また、犬山橋や木曽川沿いには炭火焼きうなぎの老舗も点在しています。川のせせらぎや対岸の岐阜側の山並みを眺めながらいただくうな重は、観光で訪れた人はもちろん、県境を越えて各務原や可児から訪れる常連客で昼時から満席になるほどの人気を誇ります。
3. 羽黒・楽田・国道41号沿い:地元ワーカーの胃袋を支える本格麺処と定食屋
観光地とは異なる日常の顔。ボリューミーで温かい職人の味
犬山市の魅力は城下町エリアだけではありません。南部の「羽黒」「楽田」周辺や、市内を南北に縦断する国道41号(名濃バイパス)沿いには、地元企業に勤めるビジネスマンや工場勤務の方々が日々通い詰める実力派の定食屋、うどん屋、ラーメン店が多数存在します。
ここでは、手打ちのモチモチうどんにサクサクの大きな海老天が乗ったうどん定食や、自家製デミグラスソースがたっぷりかかったチキンカツ定食、ニンニクの効いた台湾まぜそばなど、ボリュームとスタミナを兼ね備えたメニューが手頃な価格で提供されています。
店主や女将さんの「いらっしゃい!ご飯大盛りにする?」という温かい掛け声とともに運ばれてくる料理は、まさに地域に根ざした街の食堂そのもの。観光の華やかさと、日常の温かさの両方が共存している点も犬山のランチの大きな魅力です。
4. 木曽川を越えて岐阜(各務原・可児)へ:橋が結ぶランチ生活圏
ツインブリッジ(犬山橋)とライン大橋が紡ぐ越境グルメ
犬山市と岐阜県各務原市を繋ぐ「犬山橋(ツインブリッジ)」や「ライン大橋」は、愛知と岐阜の境目でありながら、地元の人々にとっては単なる日常の生活道路です。
犬山の住民が「今日は各務原のラーメン激戦区に行こう」と橋を渡り、逆に各務原や坂祝、可児の住民が「犬山の古民家カフェでランチをしよう」と犬山側へ渡ってくる光景は日常茶飯事です。
木曽川の雄大な流れを車窓に見ながら橋を渡るドライブ感は格別で、川を挟んでわずか数分の移動で食文化のバリエーションが何倍にも広がる面白さを実感できます。